まずはS&P500に連動するETFを確認
S&P500連動ETFのVOO1を、週足・直近24か月の通常チャートで表示します。
チャートは表示領域へ入ると読み込まれます。
TradingViewは閲覧時点から遡る24か月表示で、日付を厳密固定した図ではありません2。 本記事で分析に用いた期間は2024年8月から2026年7月までの完了した24か月です3。
「上位7社」はいつも同じ7社ではない
歴史的なMagnificent 7は、
- NVIDIA
- Apple
- Microsoft
- Alphabet
- Amazon
- Meta
- Tesla
を指します。4
一方、2026年8月28日時点の公開市場データを参照して作った独自の現在上位7社は、
- NVIDIA
- Apple
- Alphabet Class
- Microsoft
- Amazon
- Broadcom
- Meta Platforms
です5。 Teslaが含まれておらず、代わりにBroadcomが入っています。
後者は通常時価総額の大きい順に並べた今回の分析対象であり、歴史的なMagnificent 7と同じ固定メンバーではありません。
トップ7対残り493についての関連記事
S&P DJIの集計では、2023年のS&P500総収益26.29%の62.2%をMagnificent 7が占め、7社を除く仮想比較では9.94%とされています6。 2024年の総収益25.02%ではMagnificent 7の寄与は53.1%、7社を除く仮想比較は11.75%とのことです7。 2023年から2025年までの3年間でも、Magnificent 7の寄与は総収益の55%と整理されています8。
Goldman Sachsも、2023年初からMagnificent 7が約90%上昇した一方、その他493社は約18%上昇したと紹介しています9。
SyntaxはS&P500そのものではなく、Magnificent 7を除く独自のSyntax 493モデルを作り、Syntax 500と比較しています10。
2026年は一極集中が解消される方向
Aviva Investorsによれば、2025年8月から2026年8月10日までのBloomberg Total Return Indexの比較では、Magnificent 7を除く系列が約24%、Magnificent 7が約19%でした4。 Nationwideの2026年7月7日時点の2026年YTDパフォーマンスでも、その他493社は14%、S&P500は10%、Magnificent 7は1%でした11。
2023年と2024年に目立った7社の寄与から、2026年の直近データではその他493社側にも主役が広がったと読めます。 各ソースのリターンやパフォーマンス比較と、ここで見る月次価格リターン相関は別の指標です。
時価総額で見る集中の目安
S&P DJI公式ページでは、2026年7月31日時点のS&P500上位10社の比率を36.4%と示しています12。
筆者が調べたところ、現在トップ30社の固定ウェイトを累積すると、上位5社で53.66%、上位14社で80.47%でした5。 この値はS&P500全体の構成比ではなく、時価総額上位30社内での数値です。
現在上位7社の月次相関はどこまで近いか
図は、VOOと時価総額上位1〜30社までの混合指数との相関を1本のラインで示したものです。 N=7の時、2026年8月28日時点の時価総額上位7社の混合指数となります。 これは前述の通り歴史的なMagnificent 7そのものではありません5。
N=7の相関は0.7848で、相関が0.8を初めて超えるのはN=9の0.8063です。 0.9を初めて超えるのはN=28の0.9021で、N=30では0.9087でした。 相関は月々の方向や動きの似方を表すだけで、7社がVOOのリターンを引き起こしたことや、30社で完全再現できることを示しません。
- 時価総額上位N社バスケット
これを「まだ一極集中している」ととらえるのか、「十分に分散されている」ととらえるのかは読者の皆さまにお任せします。
計算条件
相関の期間は2024年8月から2026年7月までの完了した24か月です。 2026年8月28日時点の通常時価総額順を固定し、各Nで採用銘柄のウェイトだけを合計100%へ戻しました5。 各銘柄の月足終値から対数価格リターンを作り、VOOと固定ウェイト混合指数の相関を計算しました3。 終値は配当調整済みではないため、個別株の配当とVOOの分配金を含まない価格リターンです。 この混合指数は各銘柄の月次対数価格リターンを固定ウェイトで加重した比較系列であり、投資ポートフォリオの損益を再現するものではありません。 現在の大きな会社を過去にも保有していたとみなす後知恵バイアスがあり、S&P500の公式ウェイトや過去の構成銘柄を復元する計算でもありません。
まとめ
リターン寄与では、Magnificent 7がS&P500を大きく押し上げた局面がありました。 しかし現在の時価総額上位7社だけで月々の値動きを再現できるわけではなく、今回の相関で0.9に届くのは28社でした。 2026年の直近データではその他493社側にも上昇が広がっており、7社の影響は時期で変わります。 「7社支配」は半分本当ですが、残りの企業の動きまで消えると読むなら半分は言い過ぎです。
投資判断に関する一般的な注意点は、免責事項を確認してください。
脚注
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VanguardのVOO商品ページは、VOOがS&P500種指数への連動を目指すETFであることを案内しています。 ↩
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TradingView Advanced Chart Widgetのシンボル指定形式に従い、
AMEX:VOOを週足・24か月で表示しています。 ↩ -
TradingViewの月足終値からVOOと各銘柄の対数価格リターンを作り、2024年8月から2026年7月までの24個の完了月次リターンについて、各Nの固定ウェイト系列とVOOのPearson相関を計算しました。 ↩ ↩2
-
Aviva Investorsの2026年8月19日の解説は、BloombergのS&P500 ex-Magnificent 7 Total Return IndexとMagnificent Seven Indexの比較として、2026年8月10日時点で2025年8月からのリターンが前者で約24%、後者で約19%だったとしています。 ↩ ↩2
-
2026年8月28日現在の公開市場ランキング上のUS-listed銘柄を母集団とし、2024年8月から2026年7月までの24個の完了月次リターンを満たさない2026年6月IPOのSPCXを除外し、次点のAMATをrank30として上位30社を抽出しました。選定tickerはNVDA、AAPL、GOOGL、MSFT、AMZN、AVGO、META、TSLA、BRK.B、MU、LLY、JPM、WMT、AMD、V、JNJ、XOM、MA、INTC、ABBV、PLTR、BAC、ORCL、CSCO、COST、CVX、KO、LRCX、CAT、AMATです。ランキングに表示された概算USD bnの通常時価総額を30社合計で割り、固定ウェイトを作りました。これはS&P500構成銘柄でも浮動株調整の公式ウェイトでもありません。再現用の入力値や元画面は再配布せず、記事には派生結果だけを掲載しています。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4
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S&P Dow Jones Indicesの2023年12月レポートは、2023年のS&P500総収益26.29%のうちMagnificent 7が62.2%を占め、7社を除くと9.94%だったと整理しています。 ↩
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S&P Dow Jones Indicesの2025年1月レポートは、2024年のS&P500総収益25.02%のうちMagnificent 7が53.1%を占め、7社を除くと11.75%だったと整理しています。 ↩
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S&P Dow Jones IndicesのGreat Expectationsは、2023年から2025年までの3年間でMagnificent 7がS&P500総収益の55%に寄与したと整理しています。 ↩
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Goldman Sachsの2024年2月29日の解説は、2023年初からMagnificent 7が約90%、その他493社が約18%上昇したと紹介しています。 ↩
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Syntaxの2024年10月17日の分析は、S&P500ではなく独自の大型株モデルであるSyntax 500と、Magnificent 7を除くSyntax 493モデルを比較しています。 ↩
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Nationwideの2026年7月9日の解説は、2026年7月7日時点の2026年YTDパフォーマンスとして、その他493社が14%、S&P500が10%、Magnificent 7が1%だったとしています。 ↩
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S&P Dow Jones IndicesのS&P500公式ページは、2026年7月31日時点の上位10社比率36.4%を掲載しています。 ↩